人工芝は水はけが悪い?水がたまる原因と対策方法

公開日:2026/02/17 最終更新日:2026/03/09
水はけ

人工芝は吸水性がないため水はけが悪そうに思われがちですが、現在主流の製品は雨水を下地へ流す構造になっており、基本的に水はけは良好です。ただし、品質の低い人工芝や不十分な下地施工では水はけが悪化する恐れがあります。本記事では、水はけの良し悪しの違いや、水はけの良い人工芝を選ぶメリットについて解説します。

人工芝の水はけを決める要素

人工芝の水はけは、主に「勾配」「下地材の種類」「元々の庭の土」という3つの要素によって大きく左右されます。

勾配

まず勾配についてですが、庭は通常、排水溝や排水マスに向かって緩やかな傾斜が設けられています。この勾配が適切であれば、人工芝を敷いても雨水は自然に流れていくため、水はけが悪くなる心配はほとんどありません。

しかし、もともとの勾配が緩すぎたり、平坦に近い状態だったりすると、排水がうまくいかず、水たまりができてしまう可能性があります。

下地材の種類

次に下地材の種類です。下地材とは、人工芝を施工する際に、元の地面の上に敷く材料のことを指します。この下地材の選び方を誤ると、水はけの悪化につながります。

DIYで施工する場合、下地材として「山砂」が使われることがありますが、山砂は水はけがあまり良くないため、人工芝の下地としては注意が必要です。適切な下地材を選ばないと、雨水が地面に滞留しやすくなってしまいます

元々の庭の土の状態

最後に、元々の庭の土の状態も重要なポイントです。元々の土が水を含みやすく、水はけが悪い場合、人工芝を敷いた後も水がたまりやすくなります。

庭の水はけを確認する方法としては、実際に水をかけて表面の様子を観察するのが有効です。水たまりができたり、土がぐちょぐちょとした状態になる場合は、水はけが良いとは言えません。

また、一見すると水がすぐに浸透しているように見えても、その場所を踏んだときに地面が凹むようであれば、土の保水性が高く、十分な水はけが確保できていない可能性があります。

人工芝の水はけを良くする方法

人工芝の水はけを良くするためには、施工前の素材選びや下地づくりが非常に重要です。主に「人工芝そのものの構造」「下地材の選定」「勾配の確保」という3つの対策が効果的です。

排水穴が空いている人工芝を選ぶ

まず1つ目の対策は、排水穴が空いている人工芝を選ぶことです。人工芝は一見すると水を通さないように感じられますが、実際には裏面に設けられた排水穴を通じて雨水を地面へ逃がす構造になっています。

排水穴は人工芝の裏面に一定間隔で設置されており、雨が降った際や水を撒いた際に、表面に溜まった水を速やかに下地へ排出する役割を果たします。現在販売されている人工芝の多くには排水穴が備わっていますが、価格を抑えた一部の製品では排水穴が十分に設けられていない、あるいはまったく空いていないケースも少なくありません。

そのような人工芝を選んでしまうと、水が溜まりやすくなり、水はけの悪さにつながります。そのため、購入時には必ず裏面を確認し、排水穴の有無や配置にも注目することが大切です。

水はけの良い人工芝専用の下地材を使用する

2つ目の対策は、水はけの良い人工芝専用の下地材を使用することです。下地材は人工芝の仕上がりや耐久性、水はけ性能を左右する重要な要素であり、選ぶ材料によっては雨水が滞留し、地面がぬかるみやすくなってしまいます。

専門業者の施工では、水はけが良く、なおかつ固まりやすい「コンクリート材質の砂」が使われることが多く、雨が降った後でも地面がぐちょぐちょになりにくいという特徴があります。DIYで施工する場合でも、水はけを意識した下地づくりは可能で、ホームセンターで手に入る「川砂」と「水で固まる土」を混ぜて使用することで、排水性と安定性を兼ね備えた下地材を作ることができます。

下地材選びを軽視せず、用途に合った材料を使うことが、水はけの良い人工芝を実現する近道です。

適切な勾配の確保

3つ目の対策は、下地に適切な勾配をつけることです。どれほど排水性の高い人工芝や下地材を使用しても、地面が完全に平らだったり、不自然な凹凸があったりすると、水が一箇所に溜まってしまう原因になります。

排水溝や排水マスに向かって緩やかな勾配をつけることで、雨水は自然と流れ、水はけの良い状態を保つことが可能です。しかし、トンボなどを使って目視で勾配を整える作業は、DIYでは難易度が高く、わずかなズレが水たまりの原因になることもあります。

そのため、確実に水はけを良くしたい場合や、仕上がりの美しさを重視する場合には、勾配調整を含めて専門業者に依頼するのがおすすめです。

水はけの良い人工芝の選び方

人工芝を選ぶ際、水はけの良さは快適に長く使うための重要な判断材料の一つです。水はけが悪い人工芝を選んでしまうと、雨のあとに湿気がこもりやすくなり、カビや悪臭、虫の発生といったトラブルにつながる可能性があります。

そこで、水はけの良い人工芝を選ぶために押さえておきたいポイントとして「パイル素材」「基盤シートの加工」「水抜き穴の構造」という3つの観点から確認することが大切です。

パイル素材

まず注目したいのが、人工芝の見た目や踏み心地を左右するパイル部分の素材です。水はけの観点から見ると、パイルがナイロン製の人工芝はあまりおすすめできません。

ナイロンは比較的安価で手に入れやすいという利点がありますが、水を吸収しやすい性質があり、湿気を含むことでカビが発生しやすくなります。

また、紫外線や摩耗に弱く、耐久性が低い点もデメリットと言えるでしょう。そのため、水はけや衛生面、耐久性を重視するのであれば、パイル素材にはポリエチレンやポリプロピレン、ポリウレタンを使用した人工芝を選ぶのがおすすめです。

これらの素材は吸水性が低く、雨水が表面に残りにくいため、乾きやすいという特徴があります。加えて、最近では防カビ加工や消臭加工が施された人工芝も販売されており、こうした付加機能がある商品を選ぶことで、より清潔で快適な状態を保ちやすくなります。

基盤シート

次に重要なのが、人工芝の裏側にあたる基盤シート(基布・バッキング)の素材と加工です。基盤シートは人工芝全体を支える部分であり、この部分の性能が水はけや耐久性に大きく影響します。

おすすめなのは、防水性・耐水性に優れたポリウレタン加工が施されている基盤シートです。基盤シートの吸水性や保水性が高いと、人工芝と下地の間に水分が溜まりやすくなり、常にジメジメした状態が続いてしまいます。

その結果、カビや虫が発生する原因となるため注意が必要です。ポリウレタン加工された基盤シートであれば、撥水性が高く、雨水を効率よく下地や排水枡へ流すことができるため、水はけの良さを維持しやすくなります。

また、耐久性の面でも差があり、一般的に寿命が約5年とされるラテックス製の基盤シートに比べ、ポリウレタン加工されたものは10年以上の耐用年数が期待できる点も大きなメリットです。

水抜き穴の構造

さらに見落としがちですが、水はけを左右する大切なポイントが水抜き穴の数と配置です。人工芝に使用されているポリエチレンやポリプロピレン、ポリウレタンといったプラスチック素材自体は水を吸収しません。

そのため、人工芝の表面に落ちた雨水は、基盤シートに設けられた水抜き穴を通って下地へ排出される構造になっています。この水抜き穴の数が少なかったり、間隔が広すぎたりすると、排水が追いつかず、水が溜まりやすくなってしまいます。

水はけが良い人工芝を選ぶためには、水抜き穴の数が多く、穴同士の間隔が短い商品を選ぶことが重要です。購入前に無料サンプルを取り寄せられる場合は、表面の見た目や質感だけでなく、裏面の水抜き穴の数や配置にも注目して確認すると安心です。

水はけの良い人工芝のメリットとは

水はけが良いかどうかによって、日常の使い勝手や清潔さ、さらには人工芝そのものの寿命まで大きく左右されます。ここでは、水はけの悪さによって起こり得るデメリットにも触れながら、水はけの良い人工芝がもたらす主なメリットを3つの観点からご紹介します。

におい・カビの発生を抑えられる

まず1つ目のメリットは、においやカビの発生を抑えられる点です。人工芝はプラスチック素材でできており、水を吸収しにくい性質があるため「カビは生えないのではないか」と思われがちです。

しかし実際には、人工芝の表面や基盤部分、下地との間に水分が滞留し、ジメジメとした状態が続くと、人工芝であってもカビが発生する可能性があります。カビだけでなく、湿気が原因となって嫌なにおいが発生したり、湿った環境を好む虫が寄ってきたりすることも少なくありません。

水はけの良い人工芝であれば、雨水や洗浄時の水が素早く下地へ排出されるため、湿気がこもりにくく、こうしたカビやにおい、虫の発生リスクを大きく抑えることができます。

衛生的な状態を保ちやすい

2つ目のメリットは、常に衛生的な状態を保ちやすく、子どもやペットを安心して遊ばせられる点です。屋外に設置した人工芝は、ペットのおしっこや、鳥・野良猫のフンなどによって汚れてしまう可能性があります。

そのような場合、水はけの悪い人工芝だと水をかけて掃除をしても水が溜まりやすく、かえって不衛生な状態を招いてしまうことがあります。一方で、水はけの良い人工芝であれば、汚れが気になったときに気兼ねなく水を撒き、しっかりと洗い流すことが可能です。

掃除がしやすいということは、清潔な状態を維持しやすいということであり、結果として小さな子どもやペットにも安全で安心な遊び場を用意できる点は大きな魅力と言えるでしょう。

耐久性に優れる

3つ目のメリットは、人工芝自体の耐久性に優れている点です。水はけの悪い人工芝は、雨が降ったあとも湿気が長時間残りやすく、その影響で基盤部分やパイル部分が徐々にダメージを受けてしまいます。

湿気による劣化が進むと、人工芝の寿命が短くなり、張り替えや補修が必要になる時期も早まってしまいます。これに対して、水はけの良い人工芝は、雨水が速やかに排出されるため、カビの発生を抑制できるだけでなく、水分による素材の劣化も防ぎやすいです。

その結果、見た目や機能性を長く保つことができ、長期的に見てもコストパフォーマンスに優れた選択となります。

まとめ

人工芝は「水はけが悪そう」というイメージを持たれがちですが、実際には製品選びと下地施工を正しく行えば、水はけは十分に確保できます。本記事では、人工芝の水はけを左右する勾配・下地材・土壌の状態といった基本的な要素から、排水穴のある人工芝の選び方や下地づくりの具体的な対策まで、専門業者の視点で詳しく解説しました。さらに、パイル素材や基盤シート、水抜き穴の構造といった見落としがちなポイントや、水はけの良い人工芝がもたらす衛生面・耐久面でのメリットについても触れています。水はけを意識した人工芝選びと施工を行うことで、カビやにおい、ぬかるみの心配が少なく、子どもやペットも安心して過ごせる快適な空間を長く保つことができます。

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